誕生 -出産記 その5-
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慌しく帝王切開の準備が進む中、先生が内診をしてくれました。
内診をするために分娩室に入ったのに、
先生も私も帝王切開をするかしないかで
内診のことをすっかり忘れていたのでした。
陣痛の痛みが引いた時に先生が内診。
そのときです。
名城先生:
「んん?8?いや9センチ!
なっちゃんさん、
子宮が9センチ開いてますよ!」
私:
「へ?」
う、うっそーん(笑)
4時間で1センチずつしか開かなかった子宮が、
4時間経って一気に5センチ開いて
全開間近の9センチですよ。
そういえば、分娩室に入る30分ほど前、
陣痛室でお腹の子がお腹を突き上げるかのように
ぐるぐると動いたことがあったっけ。
このとき、お腹の子が回転して下のほうに降りてきて、
子宮が一気に開いたのかも。
名城先生:「なっちゃんさん、このまま自然(自然分娩)で頑張りましょう!
帝王切開の準備をしている間に自然で出産できますよ。
30分。んー1時間も掛からないと思いますよ。
私が1時間以内に絶対取り上げてみせますから。」
目がぼやけた状態でしか見えない私だったけど、
先生が説得する目だけはしっかりと力強く見えたので、
「ここは先生を信じるしかないな」と思い、首を立てに振りました。
ここからが強烈な陣痛の痛みとの戦い。
あまりの痛さに助産婦さんに
「お願いです。手を握ってて下さい」とお願いしたくらい(笑)
右手は旦那が握って、左手は助産婦さん(笑)
強烈な痛さに意識が朦朧としてきて、
旦那に頬っぺたを叩かれたこともありました。
後で聞いたんですが、
白目をむいて気を失いそうになってたとか(笑)
このあと過呼吸を再び起こしそうになったので、
酸素マスクを装着して再び陣痛との戦いw
何度か陣痛の山を乗り越え、
私の体力が限界に近いことを考慮して吸引分娩をする為に
しばらくして先生が会陰切開。
会陰切開の準備をしている途中、
オ○ッコが出てきて導尿してもらいました(恥)
(導尿:導尿カテーテルというシリコン製のやわらかい管を
尿道に挿入して、膀胱内のおしっこを排泄すること。
浣腸と同じ効果で、導尿をすると赤ちゃんが下りてきやすくなる)
幸い、便の方は前日お腹をこわしたせいで、
出し切ってたので浣腸せずに済みましたけど(笑)
で、会陰切開のあと再び陣痛との戦い。
しばらくすると、貴子先生と病院を見学に来た際に
病院を案内してくれた助産婦らしきオバちゃんが入ってきました。
陣痛の痛さもピーク。
もう耐えられなくて、
私:「先生、まだいきんだらダメですか?」
と言うと、しばらくしてOKが出たのでようやくいきめることに。
助産婦さんが
「2回呼吸したあとにいきんでね」と言われ、
みんなの合図に合わせて2回呼吸、そのあといきみます。
いきんでいる最中、病院を案内してくれた助産婦らしきオバちゃんも
「なっちゃんさん、便を出すような感じでいきんで~」
と言って声を掛けてくれます。
3回ぐらいいきんだ後に疲れちゃって少し休憩してたら、
「赤ちゃんの呼吸が弱くなってきますよー」
と言われ、再びいきみ開始。
といっても私もヘロヘロの状態。
見かねた貴子先生が分娩台の上に上がってきて
何をするかと思ったら
私のお腹の上を
体重を掛けて押すではありませんか(汗)
貴子先生から
「上から押すチカラに負けないで!」
と声を掛けられ、力いっぱいいきみました。
するといきなり
名城先生:「はい、いきむのをやめて、胸に手をあてて短い呼吸をして」
と言われ、言われた通り短い呼吸しました。
頭の中で
「あぁ、もう赤ちゃん出てくるんだ~」
と思ったら
名城先生:「なっちゃんさん、目を開けて~」
と言われたので、自分の股の間を見てみると
ヌルっとした感触があったあと
赤ちゃんの頭が出てくるのが見えました。
(ぼんやりとだけどw)
2、3秒後に我が子の産声が。
元気な産声を聞いてホッとしたのもつかの間、
「へその緒が短いから、
分娩台の下の方に下がって!」
と言われ、疲れた体を持ち上げて下のほうに下がり、
ようやくへその緒を切ってもらいました。
へその緒が長くて胎児の首に巻きつくっていうのは
よく聞いたことがあるけど、
逆に短いっていうのもあるんだね(笑)
こうして、2007年10月4日木曜日、午前1時20分。
身長47.5センチ、体重3150グラムの元気な女の子が誕生。
あれほど痛かった陣痛も、
産んだ後はあの強烈な痛みを忘れるほどスッキリ(笑)
またすぐにでも次の子を欲しくなりましたw
今、こうして振り返ると
めっちゃ大変なお産だったけど、
いろんな人に応援されてホント満足のいくお産でした。
って、まだ出産記は続きます。
次回は
「カンガルーケア」です。
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